挑戦し続ける子の親が“避けている”声かけと、その言い換え

そろタッチの暗算大会「そろフェス」や検定や毎月のグランプリを見ていると、「負けても、何度でもまた挑戦していく子」と「一度の悔しさで、もう出たくないと思ってしまう子」がいます。その差を生んでいるものの一つが、試合後に親がかけている「一言」だと思います。
よかれと思って言った一言や、無防備に放たれる一言が、子どもの中で「プレッシャー」や「もう挑戦したくない」という気持ちとして残ってしまうこともあれば、「悔しいけど、もう一回がんばってみようかな」という火を灯すこともあります。
本記事では、「負けてもまた挑戦していく子」の親がかけている言葉をヒントに、そろフェス後に避けたいNG声かけと、同じ場面で使えるOKな言い換えを、具体例つきでまとめます。
なぜ「試合後のひと言」が子どもの挑戦心を左右するのか
そろフェスの本番が終わった直後、子どもの頭と心はフル回転した直後でヘトヘトです。結果の良し悪しにかかわらず、「緊張した」「悔しい」「ホッとした」といった感情が一気に押し寄せています。このタイミングでかけられた親のひと言は、その日の記憶と強く結びつきます。
「負けた=責められる」「勝たないとほめてもらえない」という経験が重なると、子どもは無意識のうちに「だったら最初から出場しないほうが安全」と学習してしまいます。
逆に、「結果に関係なく、自分の挑戦を見てくれている」「悔しさも含めて受け止めてもらえる」と感じられる声かけは、負けた経験さえも次の挑戦への栄養に変えてくれます。
大人の役割は、「勝たせてあげる」ことではなく、「勝っても負けても挑戦し続けられる心の土台を整えること」です。
避けたいNG声かけ、OKな言い換え
ここでは、そろフェス後に思わず出てしまいがちなNGフレーズと、同じ場面で使えるOKな言い換えの一例を紹介します。
いおり先生NGのセリフを読んでると心が痛くなりますが、これ地味に案外普段から言ってしまいがち。私たちの親世代や先生世代も結構言ってた気がします。
① 結果だけを責める言葉
- なんで勝てなかったの?
- 勝てた試合でしょ?
- どうして負けたの?
- 何負けてるの
- 最後までよくがんばったね。
- Zoomで知らない人ばかりの中で最後まで逃げずにやりきったことがすごいよ。



結果だけに焦点を当てるのではなく、「挑戦した事実」と「最後までやりきったプロセス」を言葉にしてあげましょう。
② 挑戦そのものを否定する言葉
- 最初から無理だと思ってた。
- 背伸びしすぎなんじゃない?
- ほら、まだ出るのは早いって言ったじゃん
- 勇気を出してそろフェスに出るって決めたことが、すごい一歩だったね。
- 結果よりも、まず挑戦するって言ってくれたことが嬉しかったよ



子どもが一番エネルギーを使ったのは、「出てみる」と決めた瞬間です。その勇気をまず認めてあげたいです。
③ 兄弟や友だちと比較する言葉
- 同じクラスの〇〇ちゃんは勝ってたね。
- ●●(兄弟姉妹)は泣いてないよ?
- お兄ちゃんは優勝してたよ
- 前は九九すごく苦手だったのに本当によく覚えたね!
- あとでお兄ちゃん(お姉ちゃん・弟・妹)も一緒にYoutubeで見返してみよう!
- みんな本当に頑張ったね!!!



比べる相手を外に置くのではなく、比べるなら「過去の自分」との差に目を向けさせます。
④ 親の期待や負担を重く伝える言葉
- こんな結果しか出せなくてどうするの。
- せっかくお金も時間もかけてきてるのに・・・
- おじいちゃんたちも見てくれてたのに・・・・
- 一緒に盛り上がれて楽しかったよ。
- ここまで一緒に準備してこれて、お母さん(お父さん)もうれしいよ。



「あなたと一緒に挑戦できたこと自体がうれしい」というメッセージを届けます。
⑤ 感情そのものを否定する言葉
- 泣くほどのことじゃないでしょ?
- そんなことぐらいで落ち込まないの
- もういい加減泣き止んで!
- 悔しいよね。
- ●●が頑張ってたの知ってるからママも(パパも)悔しいよ。
- 本気でがんばってたってことだね。
- 次はどんな練習したらいいか、先生にきいてみよう!



泣いている子には、理由の説明よりも「感情へのラベリング」と「共感」が先です。
⑥ 試合直後の細かいダメ出し
- なんで最後間違えたの?
- あそこで入力間違いしなければ勝ってたのに
- まずはおつかれさま。
- 落ち着いてから、あとで一緒にYoutubeで試合みてみよう!



ダメ出しや分析は、時間をおいてから。試合直後は「心の応急処置」の時間だと考えると楽になります。
⑦ 勝ち負けで愛情が決まるように聞こえる言葉
- 勝ってたらご褒美あげたのに
- 勝てる子になって欲しいんだけどな
- こんな成績しか残せないのは俺の子じゃない
- 最後までがんばったあなたを誇りに思うよ
- 真剣な姿、かっこよかったよ
- 今こうやって悔しがってる姿も、かっこいいよ



子どもが「結果でしか価値がない」と感じないように、あえて言葉にして伝えてあげるのがおすすめです。
保護者が覚えておきたい3つのポイント
そろフェス後の声かけで迷ったときは、細かいセリフよりも次の3つだけ意識してみてください。
1つ目「結果よりもプロセスを言葉にする」
「何位だったか」「メダルが取れたか」「かーる饅頭がゲットできたか!」ではなく
- 毎日のそろタッチを続けてこれたこと
- 本番で30分しっかり席に座っていられたこと
- 最後まで諦めずに解いたこと
出来るだけ具体的に言葉で伝えましょう。
2つ目「感情を否定しない」
悔しさ、涙、「もうやりたくない」という言葉は、本気で向き合ったからこそ出てくる反応です。



そんなこと言わないの!いつまでも泣いてないで!
とついつい言いたくなってしまうのは、めちゃくちゃよく分かるんですが、



そう思うくらいがんばったんだね
と受け止めてあげると、子どもは落ち着いてから自然と前を向きやすくなります。
3つ目は「挑戦を続けるかどうかは、その場で決めない」
負けた直後や大きく崩れた直後に「もう次の大会はやめておいたら?」や、「次の大会では絶対・・・!」と迫ったりするのは、どちらも子どもの心に大きな負担になります。



今日はがんばった日。この先どこまで続けるかは、少し時間をおいてから一緒に考えよう
というスタンスが、次の挑戦につながる土台になります。
また挑戦したい」と言える子を増やすために
そろフェスは、タイムや正答率を競う場であると同時に



「挑戦するって何だろう?」
「負けてもまた立ち上がれるかな?」
という心の学びが詰まった場でもあります。
勝った日も、負けた日も、大きく崩れた日も、そのすべてが子どもの物語の1ページ!親のひと言は、そのページにどんなタイトルがつくかを決める大事な要素です。



あの日、うまくいかなかったけど、お母さん(お父さん)がこんなふうに言ってくれたから、また挑戦しようと思えた
そんな記憶が、一生のどこかで子どもを支える力になります。
完璧な声かけである必要はありません。



うまく言えないけれど、あなたの味方だよ



一緒に悔しがって、一緒に笑いたいよ
という気持ちが伝われば、それで十分です。



そろフェスが、結果に関係なく「また挑戦したくなる経験」になるように。本記事が、そのための小さなお守りになればうれしく思います。
そろタッチ伊勢校のご案内
そろタッチ伊勢校とは
そろタッチ伊勢校は、「計算力」だけでなく「挑戦する心」や「やり抜く力」も育てることを大切にしている、全国の子供たちを受け入れているそろタッチ専門教室です。
タブレットを使ったそろばん式暗算プログラム「そろタッチ」をベースに、一人ひとりのペースと性格に合わせた声かけ・フォローを学習データの分析と共に行っています。
伊勢市内の対面クラスに加え、Zoomを使ったオンラインクラスは海外や県外からも多くの方が所属されています。そろタッチ生が受けられる日本計算技能連盟の認定受験会場の一つです。(全国に4か所。札幌・東京・大阪・伊勢)


対象学年とクラスについて
そろタッチ伊勢校では、年長さん〜小学生を中心に、次のような方に通っていただいています。
- 数や計算に親しむ「入り口」を楽しくつくりたい年長さん〜低学年のお子さま
- 学校の計算はできているけれど「もっと速く・正確に」力を伸ばしたいお子さま
- コツコツ続ける習慣や、本番で力を出し切る経験を積ませたいご家庭
- 計算力を基礎から身に付けさせてあげたいご家庭
教室では、タブレット学習だけでなく、そろフェス(暗算大会)やフラッシュや筆記での暗算検定へのチャレンジなど、日常の学習が「目標」とつながる機会も大切にしています。



スタート年齢の上限は設けておりませんのでご相談ください
体験レッスンのご案内
そろタッチ伊勢校では、「うちの子に合いそうか試してみたい」「そろフェスや検定でどんな力がつくのか知りたい」といった保護者の方向けに、体験レッスンを随時受け付けています。実際にタブレットを操作しながら、そろタッチの進み方やお子さまの反応を一緒に確認していただけます
体験のお申し込みの流れは次のとおりです。
- 公式LINEよりご連絡
- 日程・クラスの候補をご案内(対面/Zoomどちらも可)
- 保護者の方向けにシステムや今後のステップをご説明
- 体験後、ご家庭の状況に合わせた通い方のご相談
そろタッチが初めての方も、他の習い事との両立に悩んでいる方も、まずは一度お気軽にご相談ください。




